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『みんな仲良く』
と、担任の先生は言った。
ほのぼのした響きのスローガンではあったが小学生の僕らにとっては重すぎる命題だった。
仮に『みんな仲良く』の定義が
『全員の人間関係が良好な状態で保全され、同時に積極的な交友を持っている状態』
であるとするならば
おそらく担任の先生でさえも守れてはいないだろう。
教員の退職理由もほとんどは人間関係が理由だと聞く。
担任の先生どころか、校長先生も、文部科学大臣も、国家も、
有史以来『みんな仲良く』できた人間がどれほどいただろうか。
でも、僕は今でも小学校の先生の教えを信じていて
人と人は必ず分かり合える、と思っている。
だけど、そのためにはお互いを知るためのコミュニケーションの機会であったり
時間であったり、とにかく膨大なコストが必要だ。
全員と『仲良く』していくには、人生は短すぎる。
人間は千差万別で、どうしても相性のようなものはある。
どちらかが一方的に悪い、という問題でもない。
ウマが合う人もいれば合わない人もいる。
端的に言って、仲良くできない人とまで無理に『仲良く』する必要は無い。
嫌いな奴はいてもいい。
ただ、どんなに嫌いな奴がいても、
その人の意志や人格や個性を尊重した上で人間関係を構築するべきだ。
あとは社会生活をおくっていく上で
無用な争いはしないように、最低限の協調性ががあればいい。
『みんな仲良く』しなくていい。
嫌いな奴はいてもいい。
誰かに嫌われてもクヨクヨしなくていい。
君は君のままでいい。
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